今回は、
 
「医院マーケティング 8(用途を変える)」
 
に関してお伝えいたします。
 
 

1、今回の要点

 
・貴方のサービスを受ける、本人にだけ伝える?
・伝え方を工夫する
・ジャパネットたかたが、ヒット商品を出したコピー
 
 
 
 

2、シニア層がその広告を見るの?

 
仮の話として、
貴方が頑張って、PPC広告をやっとこさ出したとしましょう。
 
が、
メイン患者層がシニア世代とした場合、
その広告をシニア層は見るのでしょうか?
 
 
そもそも、
 
・そのサービスが「自分に必要」と考えているのか?
・シニア層がネット検索をしょっちゅうするのか?
・広告を見たとして、貴方が伝えたい内容を理解できるのか?
 
こういう盲点があったりします。
特に眼科は、患者層のほとんどがシニアであったりしますよね。
 
 
自分が頑張って広告出稿した分、
出した後はもう疲れ果てて、
受け手のマインドの分析や、効果測定が疎かになるケースも少なくないです。
 
 
 
因みに、シニア層というのは、
傾向として、
保守的であり、
広告には反応しにくい
というデータもあります。
 
 
 
 

3、何も、利用する本人にだけ伝えなくていい

 
「それでも、メイン患者層はシニアです」
 
こういった場合、どうすればいいのか?
なにも、その治療を利用する本人に伝えなくていいのです。
本人の周辺の方にお伝えするのも一つの案です。
 
もちろん、伝えた人はその治療を利用するわけでないので、
用途を変える。
 
・「おじいちゃんに、美味しい食べ物を味わえる喜びを差し上げましょう」
・「子どもへの最大のプレゼントは、きれいな歯並びですよ」
・「歯がきれいでないと、お子様は冷やかされ、モテない学生生活になる。それは性格を歪めるかも…」

・「おばあちゃんに、孫の顔をハッキリ目に焼き付けられる視力を」

といった切り口も考えられるわけです。
 
 
要するに、
 
『当人が治療をしたくなる』
といった視点の訴求ではなく、
 
『治療後の心地良さをプレゼントする』
という用途に変えて
発想を広げるのです。
 
 
 
 

4、ジャパネットたかたの逸話

 
余談ですが、
ジャパネットたかたが
『ホームビデオカメラ』
をヒットさせた逸話があります。
 
 
それはどのようにして、ヒットさせたのでしょうか?
 
ホームビデオといえば、
家電量販店にも置いていますし、
メーカーでなく、
小売りであるジャパネットたかたの力だけでヒットさせるのは
なかなか難しいと考えられます。
 
 
ヒットさせたのは、伝え方を工夫したからです。
 
普通の宣伝をすると、
 
・「このビデオは〇万画素で、とてもきれいに録画できる」
・「〇〇の機能で手ブレ補正が優れています」
・「これだけの望遠機能があるので、運動会の子どももアップで映せる」
 
といったところになります。
 
 
ジャパネットたかたが違ったところは、
 
『映る対象、観たい人』を変えて、違う視点で伝えたのです。
 
そのコピーは、下記のようなものでした。
 
 
古びたビデオ映像を一人の男性が眺めている。
そこには若かりし頃の父親と、幼い日の自分の姿がある。
懐かしい映像を見つめながら、男は心の中でこう呟くのです。

「子どもの頃の自分を観て、喜ぶ男は少ない。
 僕は今、古い映像の中の父の姿をジッと観ている。

 僕を叱る顔。
 僕を見守る目。

 そんな父の姿は、遠い幸せな日々に僕を連れ戻してくれる…
 子どものために僕を撮ろう」

 
 
これがジャパネットたかたの社長のお気に入りのコピーです。
 
この逸話は、
広告出稿する際、マーケティングを考えていく際に、
大きな示唆を与えてくれます。
 
 
 
 
 

5、追伸

 
私の母方の祖父は、
8mmビデオを撮ってくれていました。
 
8ミリなので、音はなく、白黒でしたが、
学生時代、夏休みに田舎に帰った時に、
祖父が撮った8ミリを家族で毎回観賞していました。
 
確かに私も、
自分の姿よりかは、
 
「おとん、この頃、今よりだいぶ細いな〜」
 
と家族で話したものです。
 
撮影者は、私を映して、
将来私が自分の姿を観た時に喜んでくれるだろうと
撮ってくれてたわけですが、
 
意外と、
その本人は、別のところに喜びを感じたりするわけですよ。
 
マーケティングでも
こういうの、よくありますよね。
 
 
 

6、まとめ

 
A、メイン患者層がシニアであった場合、広告が本人に届くかどうかは難しい面もある
B、用途を、『本人のメリット』から『プレゼント』に変えてみるのも一つ
C、ジャパネットたかたの逸話を参考に、貴方の治療がもたらす、真の便益、『真の欲求』も考えてみる