院長や社長、経営者が
セミナーに参加して、

「このノウハウはすごい!
早速、明日から活用しよう!」

と息巻いても、
実際に使ってみると、

「あれ?なんか思ったように上手くいかないなー」
「むしろ、マイナスな事態になっていない?」

と感じたことはないでしょうか?
これまで、経営コンサルタントとして、
クライアントの経営者を見てきて、
この辺り、感じることは多いです。

今回はその辺りの理由をお伝えいたします。

 

 

1、ノウハウが機能しない根本的理由

結論から言いますと、

経営者がノウハウを活用しても上手くいかない理由
それは・・・

『スタッフに見透かされているから』

です。
何を見透かされているかというと、

経営者が短期的な損得ばかりに拘って、
長期的なことを蔑ろ(ないがしろ)にしているからです。

こう言うと、抽象論になってしまいますが、
本当にこれがピッタリの答えである例は多いです。

要するに、
院長・社長が
目先に利益ばかりを追って、
大義やこだわりを軽く考えている時、

1、スタッフはそれに気づいていて、
2、院長・社長を尊敬できず、
3、どれだけ良いノウハウがあっても、協力する気になれない

こういう事態になっているわけです。

私の実体験としても、
スタッフの方から

・「院長は、何を目的にしているのかよくわからない」
・「院長は、目先のお金のことばかり言う」
・「社長が何のためにこのビジネスをしているのかがわからない」

このような言葉を聞くケースは多いです。

 

 

2、従業員がついてこない理由

一般的なイメージでは、

経営者には大きなビジョンがあり、
従業員はサラリーマンだから、目先の仕事のみ行い、
経営者のビジョンなんて理解できない

こんなところだと思うのですが、
実際にコンサルティングに入り、
スタッフの方と1対1の面談を行うと、

『何のためにこの事業をしているのか?』
『どのようなお客を大事にしていきたいのか?』

このようなことを考えているスタッフの方は存在しますし、
院長・社長の、その、ビジョンや想いが
思いの外、従業員まで伝わっていないことは多いです。
(そもそも、ビジョンも理念も想いもない経営者もいらっしゃいますが・・・)

 

 

3、経営者でダメな例

経営者の行動として、
見ていて
「あイタ〜」
「こりゃ、いただけないなー」
「そりゃダメでしょ」

と感じるのが、
せっかく、全員分の人件費まで支払って、
ミーティングを開いても、

a、院長・社長の独演会(主に自己満足)
b、『想い』よりも『売上数値』の話ばかりする
c、院長・社長の一方通行で、従業員の考えを求めない

これらのケースです。

これらは、「多い」というよりもむしろ「ほぼ全て」と言った方が適切な表現です。

格別に意識しなければ、
ミーティングはだいたい上記のa〜cになることが多く、
当たり前に、従業員の心は離れていきます。

コンサルが経営者へ(ソフトに)注意を促して、
ミーティングはやっと変わるものです。

 

4、ノウハウを活用する前にすべきこと

当たり前ですが、
経営者一人で、事業は成立しません。

従業員の働きや助けがあってこそ、成立します。
特にチームワークが必要な業種・職種であれば、
殊更、従業員の助けが必要です。

いくら給料というお金を払っていようが、
従業員も人間です。

・よくわからないこと
・動機が不純なこと
・お金だけが目的になっていること

このようなことに心から協力しようとは思いません。

まず経営者が、

1、「どんなお客に役立つためにビジネスをしているのか?」を整理
2、それを全従業員にきちんと伝える
3、誰が、どういう側面で力を発揮して欲しいか(役割分担)の提示

このようなことをきちんと実行して、
従業員の協力態勢を作ってから、初めてノウハウ活用に移れます。

 

 

5、まとめ

A、目先の利益の話ばかりしない
B、誰の、どんな役に立ちたいビジネスなのかを伝える
C、ミーティングは独演会ではなく、双方向で