無資格者に権限を与える組織をつくる
 
 
 
こんばんは。
クリニック専門 組織コンサル
ほうすう(鳳雛)の田原です。
 
 
 
順を追って説明する
 
『クリニックの組織づくり』
 
の2回目に当たります。
 
 
 
前回は「組織づくりのスタート」をお伝えしました。
 
 
 
第2章の内容を
一言でいうなら
 
 

『上意下達を、臨床と組織運営で分ける』

 
ということです。
 
 
 
 
 

1、医院組織の特性。その弊害

 
 
医療系の組織では、
有資格者と無資格者が存在します。
 
その資格自体にも
難易度の面からもピラミッド関係にあったりします。
 
 
そして多くの医療組織が、
 
『資格のピラミッド=組織のピラミッド』
 
となっています。
 
 
要するに
歯科でいえば
 
歯科医師>DH>DA・受付
 
 
といった上下関係です。
 
 
 
ただこれには、問題もあります。
 
 
現在の雇用市場は売り手市場になっています。
且つ、有資格者の採用はさらに難しくなっている現実があります。
 
逆にいえば、
有資格者は、
いつ辞めても転職先は引く手あまた
ということです。
 
 
この状況によって、
傾向としては、
 
・そこまで自医院へのこだわりがない
・責任感がそこまで強くない

・気に入らなかったら辞めれる

 
こういう人もしばしば目にします。
もちろん、全員がそうとは言いません。
 
 
 
 
この傾向は、
どういうことかわかりますか?
 
 
(多少、意欲が低い人でも)
有資格者を歓迎する姿勢が、
 
無資格者だが優秀な人のやる気を削ぐ結果となりがちなのです。
 
 
・「5年、必死に勤めてきた私の給与と、新卒でやる気もない有資格者スタッフと同じ額かぁ・・・」
・「あんなサボってばっかの人が、資格を持っているだけで、私より上の立場か・・・」
・「私の方が医院のことを考えているのに、あんな利己的な人が評価されるのか・・・」

 
このような思いを経て、
優秀な無資格者は愛想を尽かして
辞めていきます。
 
 
 
 
 

2、組織の長として、院長がすべきはたった3つ

 
 
 
では、
そのような事態を生まないための
組織づくりはどうすればいいのか?
 
 
「資格に関係なく、ビジネスパーソンの能力により、
組織運営という側面での立場・権限を設ける」
 
です。
 
 
 
「有資格者の中には、考えがヌルい人もいる」
 
さはさりながら、
有資格者は貴重な存在なので、
資格を活かした業務に集中してもらいましょう。
 
 
また、
医師である院長ですが、
 
多くのコンサルタント等は、
院長にいろいろ
 
「これをすべき。あれもすべき」
 
と言いがちです。
 
 
が、
臨床の面で、一番のプレイヤーでもある院長には
時間的に精神的にも
多くの業務を求めるのは酷な話です。
 
 
私はこう考えます。
 
 
 
院長はひとまず
 
A、方向性を示す
B、大事な決断をする
C、身綺麗になる

この3つに絞る。
 
後は、診療に専念していく。
 
 
ひとまず、これでいいと考えます。
 
 
 
そして、
資格の有無にこだわらず、
全員の中で、
ビジネスパーソンとしてのセンスのある人を
組織運営統括・部門長等に任命するのです。
 
 
 
 
 

3、無資格者は、物申しにくい

 
 
そうは言っても、
資格を持たないスタッフが、
資格を持つスタッフに対して、
 
指示・命令を行ったり、
注意をしたりするのは、
なんとなく気が引ける・・・
 
 
有資格者も、
資格を持たない人のことをどこか下に見ていて、
その人の言うことなんて聞かない。
 
 
こういう現実もあると思います。
 
 
そこでこうするのです。
 
 
a、臨床の指示系統に関しては、有資格者の指示に従う
b、臨床以外の『組織運営』の話の場合は、組織運営統括・部門長等の言うことに従う

 
 
臨床の業務と
それ以外の業務。
 
上意下達をそれぞれ分けるのです。
 
もちろんそのためには、
組織のトップである院長が
 
「組織運営の話に関しては、統括の指示に従うように!」
 
 
と全体に伝える作業は欠かせません。
 
 
 
このような組織をつくっていくメリットは
 
・無資格の人であっても、キャリアアップの道がある
・キャリアステージを用意することによって、優秀な人材が集まりやすくなる
・有資格者も臨床に集中できるようになる
・院長にも『右腕』の存在ができて、毎日がラクになる

等です。
 
 
 
 
 
 
 
 

4、組織運営統括・部門長等の仕事

 
 
では、
その『組織運営』のトップである
統括は、具体的に何をするのか?
 
 
例えば下記のようなことです。
 
 
・医院ルールの説明、定期チェック
 
・医院の収益UP、利益率向上へのアイデア出し、アイデア募集
 
・ミーティング運営、ファシリテーション
 
・業務の割り当て
 
・患者様へのカウンセリング
 
・1on1面談の実施
 
・部下の精神面での支え
 
 
このような業務です。
 
これには
 
✓資格の有無
✓院長の親族かどうか
✓年齢
✓性別
 
このようなことは一切関係ありません。
 
 
 
 
当社のコンサルティングでは、
院内から、
組織運営を任せられるような人材を創出すべく、
 
No.2人材、
院長の右腕となるような人材
の育成を徹底的に行っています。
 
 
 
 
因みに・・・
 
逆に
幹部にしてはダメなタイプは、
 
✓医院、院長に厚意的でない人
✓医院ルールをよく破る人
✓全体観がなく、視野狭窄で目先のことしか考えていない人
✓報告ができない人
✓スタッフに嫌われるのを極度に怖がって、スタッフの機嫌取りに走る人

このような人ですね。
 
 
 
 

5、まとめ

 
A、無資格者にも希望を見せる組織へ
B、指示系統を「臨床」と「組織運営」で分ける
C、キャリアステージ、習得できるスキルを求人でも見せれば、優秀な人材が集まる
 
 
 
 
 

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