クリニック専門 組織コンサル
鳳雛(ほうすう)の田原です。
目次
1、マネジメントでやっちゃいけない5選
クリニックのマネジメントで
けっこうやりがちなこと。
が、
高い確率で失敗に終わることを
5つ、あげましょう。
A、医院全体のことまで考えていないベテランを管理職にする
B、院内の関係性が悪い状態のまま、評価制度を導入する
C、スタッフの発言を真に受けて、任せきりにする
D、ガサツ発言
E、年功序列
これを知っているだけで、
大きなヤケドを負わずに済みます。
2、やっちゃいけん5選の理由
では、
なぜダメなのか?
それぞれの詳細を見ていきましょう。
A、医院全体のことまで考えていないベテランを管理職にする
↓
・目先の業務は、まあできる
・患者さんのこともそれなりに考えてはいる
・だけど、医院全体のことや経営・利益のことには無関心
こんなベテランのスタッフもいるでしょう。
深く考えず、
そのような人を幹部にしてしまうと、
悲劇しかありません。
スタッフに嫌われないこと、好かれることが一番の目的となり、
スタッフの不満を吸い上げては、院長にぶつける。
「私がみんなのために言ってあげるからね」
と鼻息荒く、
『労働組合の金切声リーダー、ヒステリックおばさん』
と化してしまい、従業員側の権利ばかり主張するようになります。
B、院内の関係性が悪い状態のまま、評価制度を導入する
↓
雇い主といえど、
嫌いな人に上から目線で評価されるのは
人間の本能として拒否反応を起こしてしまいます。
特に、クリニックのような小さめの組織 且つ、
人材が売り手市場の場合は、
経営者といえど、
信頼関係がなければ、そこまで強いリーダーシップは発揮できません。
医院の状態が悪いままで、
強引に評価制度を導入しても、反発されるだけです。
C、スタッフの発言を真に受けて、任せきりにする
↓
「これだけの給料を支払ってあげてるんだから、きちんとやるだろう」
これは、経営者側のみの言い分です。
確かにそのとおりではあるのですが、
従業員側は、
高い給料の場合、
最初は感謝しても、すぐにそれに慣れてしまいます。
ですから、スタッフの
「はい、やっておきます」
「頑張ります」
このような言葉を真に受けて、
任せっきりにしていたら、
締切の日まで、全くやっていなかった・・・
という事態になることは少なくないのです。
D、ガサツ発言
↓
『リーダーシップ』をガキ大将のような、
粗っぽい性格で周囲を引っ張ることと勘違いしている人も、しばしば目にします。
院長に限らず、女性管理職も、です。
例えば
・「この業務はAさんにやらせておいて」
・「佐藤は休みか?」
・「こういう時、普通、〇〇するよな?」
このような言葉に違和感を覚えなかった人は黄信号です。
E、年功序列
↓
クリニックで働く女性で、
ベテランになるほど小慣れる人は少なくないです。
それは良い意味でも悪い意味でも、です。
ここまで読むとモヤモヤするかもしれません。
はい。
では悪い側面を具体的に述べましょう。
✓手の抜き方も上達して、隙あらばサボる
✓忙しい状態に気づかないフリをして、若手に行かせる
✓仕事中の雑談、ヒソヒソ話が多くなる
といったことです。
こんな人を「勤務歴が長いから」という理由だけで、
熱心に働いている若手よりも高い給料にすると
「こんな、正しく評価されない医院で働くのはバカらしい」
となって、優秀な若手は辞めていきます。
3、やっちゃいけん5選の対策
やっちゃいかんことはよくわかった。
じゃあ、私はどうすればいいの?
はい。
ここではその対策、望ましいマネジメントをお伝えします。
A、医院全体のことまで考えていないベテランを管理職にする
↓
業務スキルだけが高い人ベテランを、無理に管理職にする必要はありません。
また、
収益を上げる人を昇進させる必要もありません。
・手技が得意
・勤務歴が長い
・収益をあげる
このような人を管理職にするのではなく、
✓人を上手に育てた人
✓チームに協力した人
✓ノウハウを独り占めせずにチームのために広めた人
✓品がイイ人
✓医院利益のことまで考えている人
✓誰かが辛い時期にカバーした人
このような、尊敬されている人を管理職にすると、組織は機能します。
B、院内の関係性が悪い状態のまま、評価制度を導入する
↓
医院の状態、関係性が悪い状態。
✓何かある度に、反対するスタッフがいる
✓院長が嫌われている
✓スタッフ同士、仲が悪い
✓院内派閥がある
このような状態を解消して初めて、評価制度は機能します。
ここの解消をすっ飛ばすと、評価制度はマイナス、逆効果に働く可能性が高いです。
まずは1on1を実施して、
スタッフの考えを聴くことがスタートです。
1on1は、
こちらの意見や反論は一切言わず、最初は聴き切ることに専念するのが正解です。
C、スタッフの発言を真に受けて、任せきりにする
↓
スタッフが口で言うことは真に受けないようにしましょう。
また、本心で言っていたとしても、
時の流れで情緒が上下することもあり、
「やる」と言ったことが実行されないこともあります。
どうすべきか?
やることを指示したら、
『中間確認』は必須と覚えておいてください。
✓どこまでできているか?
✓本人としては何%までの出来か?
✓手をつけてみて、わからない点は出てないか?
これらを締切までの中間地点で確認することが重要となります。
D、ガサツ発言
↓
・「この業務はAさんにやらせておいて」
→「やらせる」よりも「やってもらう」
・「佐藤は休みか?」
→雇い主であれ、呼び捨てはやめましょう
・「こういう時、普通、〇〇するよな?」
→自分の意見の押し付け。恫喝めいてYESの言葉を取りに行っている
マネジメントの面でも、採用の面でも
上手くいっている院長は『丁寧』であることが必須条件となってきています。
E、年功序列
↓
規模が小さくても、
スタッフ数が3人であっても、
(本格的に評価制度とまではいかなくても)
ある程度の基準、
医院として望む行動は
きちんと明示した方がいいです。
まずは、
頼りになるスタッフと話し合いながら、
シンプルなルール、方向性を作っていきましょう。
人材の定着率が変わります。
4、まとめ
a、リーダーは「男前な豪傑」よりも『丁寧さ』
b、手技よりも、チームに協力的な人を管理職へ
c、年功序列という無策が、優秀な若手の心を離れさせる
クリニックのマネジメント
・管理職が育たない
・自分勝手に動くスタッフがいる
・不義理な退職があった
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