クリニック専門 組織コンサル
鳳雛(ほうすう)の田原です。

 

ボーナスは出さない方がいいです。

 

はい。
なぜなら、人間、
すぐに『当たり前感覚』になるから。

従業員側からしたら、
普通に勤務時間を消化するだけで

「6月と12月にはこれくらいボーナスが入るな」

という思考になりがち。

院長側としたら、

「12月のボーナスを獲得するために、新患を増やす努力をしよう!」

とスタッフに考えてほしいと思うかもしれませんが、
普通の従業員はそこまで考えません。

なるべくラクをして、
最低限のことはこなして、
当たり前の権利として、ボーナスを貰えるものと考えがちです。

 

 

1、ボーナスの何がダメか?

経営者側としては、

「スタッフも頑張ってくれたし、ボーナスを多めに出そう!」

と考えて、奮発したとしても、
当のスタッフは、思ったほど感謝していません。

「他の医院より、ウチの院長はイイな」

と思ってくれることを期待しているかもしれませんが、
現実はそうでもないんですよね。
残念ながら・・・

なぜか?

先述のとおり当たり前感覚になっていることと、
もう一つは・・・

『何に対しての報酬なのか?』がハッキリしないから。

人間、
すぐに忘れる生き物です。

政治家の不祥事も、
数ヶ月も経てば、
有権者って忘れがちですよね。

振り返りのニュースや動画を観て、
「あぁ、そういえばこんな失言、こんな不祥事もあったよね」

となるのが人間です。

 

「この働きに対して、感謝の意味でお金を払うよ」

というのがハッキリせず、
うやむやな感じでお金(ボーナス)を払っても、あまり意味がありません。

 

ボーナスという、貴重な資源(お金)を払うのなら、
それをきちんと

『従業員の意欲』

に繋げたいところ。

当たり前感覚で貰ってもらっても意味はないのです!

 

 

 

2、ボーナス払うくらいなら…

 

じゃあ、どうしたらいいの?

はい。
ボーナスをゼロにしてしまうと、
これまで貰っていたスタッフは不満に思います。

また、
リクルートの面でも、
「ボーナスなし」とすると、大きなハンデとなります。

オススメなのは、

『2ヶ月に一回等、小マメに払う』

ことです。

要するに、
「お金を払うなら、タイミングが大事」

ということです。

ボーナスとして、
「お決まりの儀式」のように払うと、
当たり前感覚になりますし、
半年も前の、どれのことを評価して払ってくれているかなんて、
考えもしません。

 

ですから、

A、医院の『求める行動』というものをきちんと言語化、且つ周知して
B、その『求める行動』をしてくれた人には、ボーナスを払う

とした方が、
従業員としても、

「あ、この行動をしたら、きちんと対価を貰えるんだ」

となり、
『求める行動』を続けてくれます。

 

払うべきは、
「行動」に対してです。

決して、
「慣習」として払うものではありません。

 

※上記の『求める行動』に関しての詳細はまた機会に

 

 

3、原資は?

2ヶ月、もしくは1ヶ月に一回支払うとして、
その原資は?

あらかじめ、
「一人当たり、年間でこれくらいの金額を払っているな」

という額を上限として分割する。
もしくは、
収益の〇%まではボーナス(インセンティブ)として出そう。

等、
やりやすいやり方でやってください。

このボーナス分割支払い。
デメリットとしては、

・手間が増える
・きちんと「行動」の確認が必要となる
・今までは、半年以内に退職したスタッフにはボーナスのコストを節約できたのに・・・

このような点があがります。

が、
それを踏まえた上でも、

『医院の求める行動』のみに支払って、
その行動をを続けてくれることによっての、

〇 医院業績の向上
円滑な組織運営
〇 求人応募者の増加

こういった余りあるメリットの方が大きいです。

 

逆に、
これまでどおり、
夏季と冬季にまとまった支払いだけをしていると

✕ 貰えるのが当たり前感覚
✕ 何に対して貰えたのか把握も意識もしない
✕ 「院長の好き嫌いでボーナス額が決まっている」という変な噂
✕ ボーナスを貰ってすぐに退職
✕ 昨年比較でボーナス額が減った時の不満

このようなモノがいつまでも続きます。

事務的にはまとめ支払いの方がラクですけどね。

 

 

4、打ち出し方

この、
『求める行動』に対して支払うやり方。

謳い文句、
伝え方、
打ち出し方、

はどうすればいいか?

 

表現は工夫しましょう。

「ウチはボーナスはありません。その代わりインセンティブがあります」

これだと弱いです。

従業員側としては、
「なんか、損しているな」
「インセンティブって、必死に数字を突き詰めないと貰えないやつよね」

となります。

それよりも、

「当医院では、ボーナスを早めに出します。先出しします」

とした方が、従業員も求人応募検討者も喜びます。

「半年も待たなくていいのか」
となります。

 

5、副産物

 

ボーナス支払いのためにプールしていた資金。

ですが、時折、
「今買うと、通常より安く買える」
といった機材購入に、資金を使ってしまい、

ボーナスの時期となると、
ボーナス支払いのために借金をしないといけなくなる・・・

そんな事態も避けられます。
(人間そうそう、計画的な生き物でもないですからね)

 

 

 

 

追伸

 

今回(12月冬季)は、
今までどおりボーナスを出すとして、

次以降は、
従業員のパフィーマンスや意欲に繋がるように、

工夫して、資金を使っていきましょう。

 

 

※当社では、このような現状を踏まえた上で、
 対応策をクライアントスタッフ様といっしょに考え、行動計画・実行確認を行っております。
 
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