クリニック専門 組織コンサル
鳳雛(ほうすう)の田原です。
 
 
スタッフの言う「院長は平等でない!」は間違い
 
 
 

1、何を持って、差をつけるか?

 

いまいち、院長とスタッフさんが団結していないクリニック、
院長の求心力が発揮されていないクリニックの特徴として、

院長が対スタッフで、人によって態度を変えている

というのがあります。

 

ただ私は、
これは100%“悪”だとも思いません。

何を基準で態度の変えているのか、が問題なのです。

まあまあな数の院長が、
「自分の好き嫌い」
「従順かどうか」

で相手によって態度を変えていることがあります。

これは、よろしくありません。

 

 

2、「平等」は悪!

 

そうではなくて、
成果や貢献度を基準として、
人事評価で、差をつけましょう。

ということです。

 

冒頭に「院長は平等でない!」という言葉を出しましたが、

ここで一応、日本語の定義として、

・「平等」→差別がなく、皆一様に等しいこと
・「公平」→判断や処理が偏っていないこと

です。

要するに、
「平等」とは、努力・成果・能力に関わらず、皆一様に評価すること
「公平」とは、機会は差別なく与えた上で、クリニックに貢献したり、成果を上げた人をきちんと評価すること

です。

 

「平等」とか「公平」という言葉を遣うと、
直感ではわかりにくいかもしれませんので、
ここでは

「平等」→貢献は関係なしの同じ扱い
「公平」→貢献者を評価

と考えましょう。

 

3、目先にラクに走ると、長期的には消耗する

 

もうおわかりだと思いますが、

上記の
「平等」→貢献は関係なしの同じ扱い
をしていたら、優秀な人材ほど、頑張ることがバカらしくなって、
程なく、手抜きをするようになるか、退職していきます。

スタッフを
「貢献は関係なしの同じ扱い」をしていると、
あるいは、年功序列だけが評価の基準になっていると、

クリニック組織は、最も能力の低い人に合わせた集団になってしまいます。

ただ、
「貢献は関係なしの同じ扱い」は評価がラクなのです。
年功序列も評価には時間がかかりせん。

〇年目だから、一律にこの評価。このボーナス。
とすると、経営サイドとしては時間もかからず、ラクです。

が、
そんな評価なら、今後伸び盛りの、優秀な若手、
数年後にはクリニックを支えてくれるような人材が、
早晩、愛想を尽かして辞めていきます。

「評価」でラクしたう分、
「採用」「育成」で、それ以上の時間と労力がかかることとなります・・・

 

4、評価する基準を言語化

 

では、どうすればいいのか?

それは、

・今いるスタッフさんにも
・新しく入った新人さんにも
・求人の段階からでも

このような“決意”を院長が伝えましょう!

「組織運営と患者満足。
 この2つでバランス良く成果を出す。そんな人を評価する医院にします!」

 

このシンプルな基準で、
まともな人ほど評価され、自分の頑張りが報われることに喜々として、
熱心に働くようになります。

且つ、
これをスローガンとすると、優秀な人材が集まります。

「患者満足」だけに偏ると、オペレーションや組織全体の運営に支障をきたすことがあります。

「組織運営」だけに偏ると、患者様に対して流れ作業的に、冷たい対応をとりがちです。

両方のバランスを考えた、貢献が大事なわけです。

 

5、まとめ

A、皆一様に同じ評価、もしくは年功序列は悪
B、貢献した人をきちんと評価する姿勢を、改めて伝えましょう
C、「患者満足」と「組織運営」。どちらかに偏ってもダメ。バランスを考えられる人材へ