クリニック専門 組織コンサル
鳳雛(ほうすう)の田原です。
Q、コスト意識が低いスタッフが多い
A、関係ないと思っているから
目次
1、悪気はない。無知なだけ
院長が
スタッフのコスト意識の低さにイラつくことは少なくありません。
どこの医院でもそうではないでしょうか?
・医院の備品を湯水のように使う
・高額機材を乱暴に扱う
・修理代が数万円もするような機材を壊す
このようなことは、まま、あるでしょう。
では、
スタッフは院長に悪意があってやっているのか?
いえ、
そうでもありません。
単に、
・その金額を知らない
・自分には関係ない
・自分の懐が痛んだり、給与に影響がないと思っている
こんなところです。
2、コストに関する説明の仕方
では、スタッフにコスト意識を持たせるにはどうしたらいいのでしょうか?
やることは一つ。
「教えること」です。
一度しっかり、
・それぞれの薬剤、消耗品はいくらの値段か
・各々の機材の値段はいくらしたのか
・壊した時の修理代はいくらかかるのか
これらに関して、
時間を取って、落ち着いた場所で、教えるのです。
その際、大事なのは
『自分にも関係がある』
と思わせること。
人間、
基本は自分視点で考えます。
相手の気持ちになって考える人なんて極わずかです。
ですから、
「あなたのボーナス額に影響する原資は、利益から出てている」
と
図を使って、新卒社員でもわかるレベルで伝えるのです。
ミーティングの場で、
ホワイトボードやパワーポイントを使って、
視覚にも訴えて、
『君たちのボーナスは利益から出ている。
利益を生むには、全員でコストを減らす必要がある』
ということを伝えるべきです。
これをしない限り、
スタッフは
「医院のコストなんて、私たちには関係ない」
と思ったままです。
下図のような、
細かすぎない、ざっくりとしたモノで充分です。
大事なのは『直感でわかりやすいもの』です。
このような図をホワイトボードに描いて、
「利益」がいかに君たちのボーナスに関係あるか
を説いた上で、
機材の現物をできる限りその場に持ってきて
(持ち込み不可の機材はPPTで画像を映す)
それぞれの値段や修理代がいくらかを伝えてください。
「自分にも関係がある」
と思って初めて、
人は協力態勢になります。
※ここでは
・粗利益と税引前当期純利益は違うだろう
・修繕費とは、有形固定資産の改修費だろ
といった細かい話はどちらでもいいのです。
医院スタッフに「直感でわかる」ことが一番の目的です。
3、今後の対策
上記のような話をして、
スタッフにも「コスト意識を持つことは自分にも関係する」というアンテナを立てた上で、
今後の対策を話し合いましょう。
これまでに、
・機材を壊すことが多い
・材料を大雑把に使う
・備品がなくなることが多い
こういうことがあったのなら、
ひとまず犯人捜しはせず、
「過去、どのような状況の時に、壊れたり、紛失したりしたか?」
「今後、どのような対策をしたら、それを防げるか?」
「どんような管理体制を作れば、防止できるか?」
そこをミーティングで話し合ってください。
この話し合いは、
院長は極力口出しせず、
スタッフに考えてもらいましょう。
自分が考えて、
それがルールとして採用されれば、
皆、自分事としてルールを守るようになります。
4、まとめ
A、スタッフは「医院のコストなんて私に関係ない」くらいに思っている
B、まずは、簡易なPL(損益計算書)で、コスト削減とボーナスの関係性を伝える
C、その上で、コスト削減案をスタッフ自身にアイデアを出してもらう