クリニック専門 組織コンサル
鳳雛(ほうすう)の田原です。

 

新しく人が入った時の教え方のコツ。

院長が直接教える時間なんて、
現実的には難しいですから、
スタッフに任せることが多いでしょう。

がしかし、
教える側のスタッフが皆、
『教え方』
が抜群に上手くて、センスがあるかというと、
そうでもない・・・

それが現実ではないでしょうか?

今回は、
医院での『教え方のコツ』をお伝えいたします。

 

 

1、分ける

手技と知識を分けることです。

ここをごっちゃにして教えると、
教わる側は混乱します。

 

今からは「知識」を教えるね。
「手技」に関しては明日教えるね。

こうすると、
教わる側も心の準備ができます。

 

 

『知識』のジャンルもさらに細分化ができて

a、物の場所、ルーティンですること
b、ビジネスパーソンとしての知識(敬語・マナー・接遇等)
c、医療の専門知識

大きくこの三つに分けられるでしょう。

患者様の質問に対しての応酬話法は、
「b+cの要素が必要」

と言えるでしょう。

 

 

 

2、整理し、共有する

 

数年に及ぶ、医院経営の期間の中で、
一度は、
「教える内容」を整理して、
皆が把握できるようにする作業は必要でしょう。

 

要は、

Ⅰ、どれだけの項目があって
Ⅱ、各項目をどういう順番で教えるのが適正か?
Ⅲ、誰がどの項目を担当するか?

 

ここときちんと、
一度は、複数人のスタッフで擦り合わせることです。

こういうことをせず、
先輩スタッフであるAさんに、

「じゃあ、新人さんの育成をお願いね」

とすると、
Aさんは我流でやります。
思いつきで教えます。

それの何がダメかというと

・教える順番が不適切で効率が悪くなる
・思いつきで教えるから、日をまたいで、内容が重複する
・現場で、他の先輩とやり方が違ってくる
・全体像を示さないままの教育は、先が見えず不安になる

このような、良からぬ事態が起こります。

 

 

 

 

3、全員が把握する

 

院長含め、医院の全員が、
上記の

・業務の全体像
・教える内容の項目
・教える順番
・誰が教えているか
・どこまで教えたか
・どこまで習得できたか

を把握できるようにすると良いです。

 

これを把握していないと、
院長は、
診療中に、新人さんに手伝ってもらっても

「まだ、こんなことも習ってないの?!」

と不必要なストレスを感じる事態になります。

 

新人の佐藤さんは、

・ここまで教えてもらっている
・このスキルまでは習得できている

そういうことが、

紙で、
一目で、
一発で、

理解できるようになると、
現場での変な摩擦が無くなり、

院長も先輩スタッフも、ムダに腹が立つ事態が減ります。

何よりも、
新人さん自身のストレスが大幅に軽減し、
退職を考えることがなくなっていきます。

これは
多くの医院様で実際に、喜ばれていることです。

 

「どこまで習得できているか?」

これが一目でわかれば、
院長や先輩スタッフも、
仕事を任せる時に、ムダな時間を割くことなく、
秒で判断できるようになります。

 

 

 

 

4、複数人が教育担当になる

 

一人の新人さんに対して、
複数人の先輩や上司が教える。

ということを一度はしてみても良いでしょう。

なぜならば、

ア、教わる側の気分転換になる(教育者一人だけの場合、相性が合わないとストレス)
イ、教わる側も、教育者を比較できる
ウ、教育者にライバル意識が生まれる

からです。

 

教え方が上手いスタッフと、下手なスタッフがいるものです。

その辺りを、実際に教えられた新人さんに率直な意見を訊くのです。

 

「誰が一番わかりやすい?」

と。

そういう情報によって、
複数人いる教育者の中にも、
健全なライバル意識が生まれ、
切磋琢磨して、教え方スキルの向上に繋がります。

 

こういうことをせず
『教育者一人』
の体制でやっていると、

教え方が下手な人は、ずっと下手なままです。

 

具体例)

・医療知識に関してはAさんが担当
・手技に関してはBさんが担当
・手技に関して、Bさんが休みの日はCさん担当
・ビジネスパーソンとしての知識(敬語・マナー・接遇等)はDさん担当

 

 

スキルアップには、
健全な競争が
やはり、必要です。

 

 

 

5、まとめ

A、教える項目や順番、教育担当者を事前に整理する
B、「教育」を見える化して、全員が進捗を把握しやすくする
C、健全なライバル意識で教える側も、教え方スキルが向上しやすい環境にする