今回は、

「マーケティング 3(客層の明確化)」

に関してお伝えいたします。

 

1、要点

・「その辺にある医院」となると、よろしくない患者様も来る
・『誰に?』を決めると、すべてが具体化する
・『誰に?』を決めると、短絡的なスタッフも一蹴

 

2、誰に?を決める

まず医院の状況を考えると・・・

a、人材・時間・労力は限られている
b、近隣に他の医院は多い
c、そもそも患者様が「不急」であれば足が遠のく

という環境にあると思います。

このような状況下でも、
新患さんに来てもらって、
既存患者様にも継続して来てもらうには、

やはり、
「医院のカラー」
が必要となります。

カラーがないと、
その辺にある、「よくある医院」
となってしまいます。

ですから、

『ウチは、「誰の」役に立つために存在するのか?』

を最初に決めることがマーケティングでは重要です。

繰り返しますが、
他にも医院は数多くあるのです。

患者様の移動手段が車であれば尚のことです。

ここまで読むと、
経営やマーケティングの勉強をよくされている方なら、

「あぁ、それね。よく聞くよ。ペルソナってやつだろ」

と思われるかもしれません。

おっしゃるとおりです。

ただ、重要なのは、
『知っている』を『やっている』に引き上げることです。

実際に、
他の仕事や誘惑をシャットアウトして、
自分一人の時間をきちんと作り、
紙とペンを用意して、
じっくりと考えたことがある人は
少数派だと思います。

 

3、「誰に」を決めないとどうなるか?

医院の特徴を色づける要素の大きな部分として、
「誰に」を決める。

これが決まらないと、
やることがあちこちにとっちらかります。

・HPの訴求ポイントにしても
・求人のコピーにしても
・待合室の雑誌にしても

『誰に』を決めると、
ブレなくなります。

例えば、
アロマを置くなど、
何か新しい取り組みを始めようとすると、
必ず、
「この匂いが嫌いな人がいた場合はどうするんですか?!」

と反対の声が出るものです。

・シニア層にウケることと、若者にウケることは違う
・女性にウケることと、男性にウケることは違う

当たり前です。
だから、メイン患者層を決めないと、
全員にウケることを考えて、
結局、通り一遍の、どこにでもある医院となります。

それは同時に
患者様も

・「近いから」
・「安いから」
・「営業時間が長いから」

という理由だけの
あまりよろしくない患者様を引き寄せてしまいます・・・

 

 

 

4、じゃあ、どんな人を選べばいいのか?

 

医療行為は尊い行為ですし、
来られた患者様を帰すことはできません。

そこに、
経営の利益追求的なことをガンガン伝えるつもりもないのですが、

利益なくして、医院の継続はできません。

こちら(医院側)の発信内容により、
徐々に、医院に“合う”人が来られるようになります。

では、どのような人をメインターゲットにするのが、より良いかというと
経営的には

『横展開と縦展開ができる人』

です。

 

横展開→口コミ等で同じ属性(似た境遇)の人を紹介してくれる人。家族・子どもの来院に繋がる人
縦展開→自身が追加サービスを希望する人

他に考えるべきことは

a、地域性
b、近隣の施設にはどのような人が多いか?
c、医院側として好きな患者様とは?
d、周囲によく話をする人は?(ママ友系・教諭・スピーチをする仕事の人等)
e、年代

等です。

 

 

5、患者層 具体例

ご自身の得意な診療内容を起点として、
医院のカラーを打ち出していく。

それも大事です。

同時に、
ターゲット患者層を決めて、
その人が喜びそうなサービスを習得していく。

これも大事です。

では、その患者層の具体例ですが、
例えば、

・お子様がいらっしゃる30代女性
・美意識が高い20代ビジネスウーマン
・会社で役職に就いている40代男性
・身体は健康で、文化サークルに通うようなシニア層
・子の、歯並びに悩んでいる親御さん

等です。

これらを決めると、

1、その人が多少お金をかけても解決したい悩みは何だろう?
 ↓
2、その人が求めることは何だろう?
 ↓
3、その人に当院の存在が伝わるには、何が必要だろう?

と、
行動すべきことが具体的になっていきます。

 

 

6、スタッフの的外れな提案を退ける

おまけです。

医院の女性のスタッフは、

・目先の出来事のみをすべてのように語る
・一人の患者様の事象を、患者全員のことのように語る
・短絡的に考える

あくまで私が感じる印象ではありますが、
こういう特性を持った人が多いと感じています。

医院としての『軸』がないと、
女性スタッフは短絡的に考えて、

「〇〇をやりましょう!」
「△△をやめましょう!」

と好き勝手に言ってきます。

これを簡単に諭す手段としても、

「ウチは、メイン患者層が〇〇だから、それは枝葉末節にならない?」

と言えるのです。

(「枝葉末節」の言葉が通じないスタッフもいるかもしれませんが 笑)

 

7、追伸

ここで一つ。

この医院の『カラー』に関して、
院長先生の考えとしてたまにあるのが、

ウチのカラーは

・「スタッフの接遇力だ」
・「受付の笑顔だ」
・「担当制による、スタッフとのコミュニケーションだ」

というものがあります。

これはこれで素晴らしいのですが、
私の経験則だと、

大事な医院のカラーが、
どこかスタッフ任せの考えとなり、
そして、上手くいかないと「スタッフのせい」だと考えてしまう・・・

リスクを背負って、
(人により)借金まで背負って独立開業したのだから、

経営の戦略部分の
『医院カラー』
はぜひ、ご自身で責任を持って決めましょう。

それは今からでも遅くありません。

コロナ問題があったので、

「コロナ問題で私も考え直した。医院の方向性を今後はこうしていきます」

と、
スタッフに説明する時の大義名分も立ちます。

 

「当院は、誰のために存在するのか?」

をぜひ考えてみてください。

 

8、まとめ

A、マーケティングのスタートはメイン客層を決めること
B、メイン客層が決まると、細かいことはスイスイ決まる
C、医院のカラーに合う患者様に囲まれると、仕事が楽しくなる