クリニック専門 組織コンサル
鳳雛(ほうすう)の田原です。
 
 
今回は、実際のコンサルティングでの話を少し。
 
 

1、要点

 
a、なぜ政府は逃げの姿勢か?
b、院長の本音
c、本音を踏まえての解決策
 
 
 
 

2、政府は全国民の利益を優先する?

 
昨日、
国会で党首討論があり、
オリンピック開催の是非が問われていましたね。
 
 
なぜ政府は、
オリンピック開催の「理由・意義」を有耶無耶にし、
有観客か無観客かを
ウダウダやっているのでしょう?
 
 
答えはシンプルで、
 
 
—————————-
・正論→国民全体にとっては、無観客の方がいい
 
・本音→献金してくれた人たちのことだけを考えると有観客だ
—————————-
 
 
 
たったこれだけのこと。
 
 
そもそも、
政治家が日本国民全体の利益を優先している
という前提が間違っているのです。
 
 
政治家は
「自分の選挙区の人たちに投票されればいい」

「政治献金してくれた人が喜ぶことをすればいい」

 
という本音もあるでしょう。
 
 
 
これに似たことは、
コンサルティングの現場でもたまにあります。
 
 
 
 

3、正論と本音

 
 
「そりゃ、患者さんやスタッフのことを考えたら、そうした方がいい。」
「が、極めて個人的な欲望のためにはこれを継続したい」
 
 
とてもここでは書くことができないような、
そんな本音を持つ院長もいらっしゃることがたまにあります。
 
 
そして、
それは決して、自分の口からは言わない。
 
 
 
 

4、コンサルタントの役割

 
そんな現実の中で、
 
コンサルタントとしては、
その善悪は置いておいて、
院長の思いもスルーすることはできない。
 
 
 
『妙な違和感』
 
があった時は、大抵、
「院長の本音」が隠れています。
 
そこを嗅ぎ取って
頭の中でだけ、様々な仮説、推測を立てる。
 
気づかないフリをしながら…
 
 
 
その上で、
・院長メリット
・患者様メリット

・医院全体メリット

の策を考えていくわけです。
 
 
 
ただ、
閣僚の政治家とは違う点は、
単純にバランスを取るだけではないところ。
 
 
普通にやっていたら、
 
・院長の本音
 
 
・スタッフ利益
・患者様利益
 
は相反することが多いのですが、
 
 
アウフヘーベンして、
そこを覆す、
 
『第三の案』
 
を考えていき、解決策を講じることです。
 
 
 
院長の本音を否定せずに、
・患者様利益
・医院全体利益
にも繋げていく方法は、
考え抜けば出てくるものです。
 
 
 
コンサルティングの現実として、
こういうケースもありますよ
 
という話でした。
 
 
 
 
 

5、追伸

 
 
上記で述べたような、
「院長の本音」
は正直に教えてくれた方が
話が早いのは確かです。
 
(仮説が「確定」になると策を講じやすい)
 
 
こちら側としては、
 
コンサルティングの仕事をしていると、
様々な医院様の現実ともぶつかる。
 
慣れています。
 
思っているほど、こちらは
驚きもしませんし、
軽蔑もしませんし、
正論を通そうとも思っていないものです。
 
 
医師といえど、
人間らしい側面も、そりゃありますよね。
 
 
 
 
 

6、編集後記

 
本文で述べた『本音』というものは、
もちろん、
院長に限った話ではない。
 
むしろスタッフ様の方が多い印象です。
 
スタッフ様の中には、
表面上、
 
「みんなも賛成しているので、〇〇を続けましょう」

「患者様のためにも〇〇はやらない方がいいです」

と大袈裟に正論のように言うのですが、
本音を探ると、
 
・自分の立場を強化するためにも、やり方は変えたくない
・正しいことをやると、サボれなくなるじゃないか

・(別にツラくもないが)辛いフリをして被害者の立場を取っている方が要求が通りやすい

こういうことはあるんですよねー。
 
もちろん、全体にとって不利益なら、慮ったりなんかしませんが。