医院のマネジメントを行う上で、
前田裕二 氏「メモの魔力」 (幻冬舎)からの学びを活かそう!

話題の「メモの魔力」。
著者は、ライブ配信サービスの、SHOWROOM株式会社代表取締役社長 前田裕二氏。

頭の中の思考法、フレームワークがわかりやすく示されていて、

・コンサルティングの現場でも活かせる技術
・新しいアイデアの発想法
・ブレない軸(コンパス)の作り方

等、本当に実践すれば、それこそ人生が変わるノウハウを深く掘って語られています。

医院の経営に照らし合わせて考えると、『ミーティング』に使えるノウハウが多いと感じました。

※メモの魔力
http://www.amazon.co.jp/dp/4344034082

 

1、書かれている内容を一言に凝縮すれば?

メモを使って、自分の今のラスボスを見つけ、
メモを活用して、そのラスボスを倒そう。

ということだと感じました。

 

2、一度、自分ととことん向き合う

このような内容が書かれています。

自分のことがわかっていると、明確な価値観や死生観に沿って、正しい方向に向かってオールを漕ぐことができる。
「人生のコンパス」を手に入れることができる。
これを持っている人はあまり迷いません。

これを院長先生にとっての、来院患者様に置き換えると、
「どんな患者様が好きで、どんなベネフィットを与えたいか?」

それが明確になれば、
・「ホワイトニングを導入するといいですよ」
・「このカウンセリング手法を取り入れると収益が上がります」

といった、『手段』のセミナーに振り回されなくなりますね。
また、新しい高額機材を購入する際の、判断材料にもなります。

<行動>
「自分は、誰のために何を与えたいのか?」
この問いへの答えをとことん考え抜こう!

 

3、ミーティングでメモを取らないことの損失

このような内容が書かれています。

会議などで、僕らは思っている以上に情報を素通りしています。
例えば、大切な情報を3つ話したとして、聞き手は、その1つしかキャッチしていない。
その結果、情報の送り手である話者との認識の齟齬やすれ違いが起きて、その溝はどんどん深まってしまう。
しかし、きちんとメモをとる習慣を身に付けると、
自分にとって有用な情報をキャッチするための「アンテナの本数」が増えます。

これは、院長先生も身に覚えがあるのではないでしょうか?
ミーティングをして、院長が大事なことを伝えているのに、
スタッフはメモも取らず、どこか集中力に欠ける。

結局その後、「前にミーティングで言ったよね!」
と院長とスタッフの間で齟齬が生まれる・・・

私もクライアントのミーティングや、セミナー等で、メモの効用を論理的に伝えてきましたが、
ここはひとつ、現実的な話、
『あのSHOWROOMの前田社長もメモを取ることに関して、〇〇(上記引用)と言っているよ』
と伝えると、若いスタッフの人にも聞き入れやすいかもしれませんね。

<行動>
大事な話をする前は、まず、聴き手の集中力を上げるべく、
メモの重要性や、その効用を聞き手に伝えよう

 

4、メモを取ることは、ソフト面だけでなくハード面も重要

このような内容が書かれています。

おそらく、実際に話を聞く真剣さの度合いが同じだったとしても、
メモを取るか取らないかで、相手の受ける印象が異なる。
「あなたの話から、一つでも多くのことを吸収したい」という姿勢が可視化されて、
より実りのある会話になっていきます。

ミーティングの際、きちんとメモを取る、積極的な姿勢の医院スタッフがどれだけいるでしょう?
10人に1人いたら良い方ではないでしょうか?

話し手、情報伝達者も人間である。
感情がある人間である。

情報伝達者は、ひとまず仕事としては最低ラインの100%をクリアしていれば、

・「熱心にメモを取ってくれるし、準備した上での質問をしてくれるから、プラスアルファの150%の情報を出そうか」
or
・「こんな聞く姿勢なら、100%どまりでいいだろう」

こう思ってしまっても無理がない。
それが人間ではないでしょうか?

・相手への敬意
・自分も得するため

にメモを取ろう!

<行動>
最低限、自分が聴き手の場合は、話し手への敬意を態度でも示そう。
そして、自医院のスタッフにも、『聴く姿勢』により、自分が得をすることを伝えよう

 

5、ビジュアル化で、全員の脳を整理

このような内容が書かれています。

今、どの課題を解決しようとしているのか?
発言者それぞれが俯瞰で全体の構造を把握していないと。議論は混迷を極めるでしょう。
メモを通じて「今、どこの話をしているのか?」という構造化能力が自然と引き上げられます。

私が医院様にコンサルティングに入ると、
必ず一つ、お願いすることがあります。

「多少の費用がかかっても、ホワイトボードは早めに購入してください」

同じミーティングをするのでも、

A、ホワイトボードなしに、口頭のみで話を進める のと
B、ホワイトボードを使って、話の内容を整理しながら、皆がそれを見て話を進める

のとでは、解決策に導くまでの時間がまるで変わってきます。

上記Aの場合、話があちらこちらに脱線しまくって、
「結局今、何の話をしていたんだっけ?」となり、
それぞれが言いたいことを述べるだけ述べて、時間があっという間に過ぎる
というのは、あなたの医院でも思い当たる節はありませんか?

<行動>
ホワイトボードを買おう!
ミーティングの際は、誰か、論理的で頭の回転が速い人に、まとめ係をしてもらおう

 

5、院長の話にもっと、耳を傾けてもらう手法

このような内容が書かれています。

話が上手いと感じる人は、会話それぞれに『タイトル』をつけている。

ミーティングを行っても、
・院長の話に皆、シラー
・私(田原)の話も、今一つ響かない・・・

こういう現象があったなら、
「スタッフにやる気がない!」
「スタッフの意識が低い!」

だけで済まさず、自分自身に目を向けて、
『標語にする力』が乏しかっただけかもしれない
と考えることが大事ですね。

<行動>
話を聞きたくなる、気を引く『タイトル』を考えて、話を始めよう

 

6、スタッフ育成、医院の組織強化が進まないのは?

このような内容が書かれています。

「こんなに努力しているのに夢が叶わない」ではなくて、
「やるべきことが具体化できていないから夢が叶わない」ということに気づける。

意識の高い医院なら、私がコンサルティングに入る前から、スタッフの人にも目標を作ってもらったりしています。
しかし、なかなか思ったようには、その目標の実現は進みません。

なぜなら、
遠いからです。
大きすぎるからです。
どこか他人事になってしまうからです。

それをクリアするためにも、
・実行することを具体化して
・期限を設ける
・確認も他者がきちんと行う

ここまで落とし込まないと、目標設定だけでは、ただのお題目になるだけで終わってしまうことになるでしょう。

<行動>
目標設定するなら、作って終わりにするのではなく、
やることを明確にし、やる順番をつけ、第3者が中間確認もする

 

7、自医院を選んでもらうためには?

このような内容が書かれています。

自社のサービスを紹介する際、ストーリーと絡めて話すと、
相手にも興味を持ってもらいやすい

患者様は勝手にこう思っています。

『医者の人は、子どもの頃からすごい人。
 私たちとはどこか違う人。怖い人。』

しかし、共感できる部分を見つけると、近づきたくなるのも人間。
院長先生自身、自分のこれまでの歴史を振り返って、自分が下がった時も含めたストーリーに絡めて、
「こういう経験や思いがあって、今この仕事をしている」
と伝えると、他の医院ではなく、
「この先生に診てもらいたい」という感情を生むことでしょう。
(注:テクニック的にやらずに、本心で語ることが大事なのは言うまでもない)

<行動>
HPや医院案内等で、院長の『ストーリー』を語ろう

 

8、まとめ

・とことん自分と向き合って、自分の『コンパス』を見つけよう
・漫然と話すのではなく、話をする前に、聴き手の集中力を上げよう。そのためにメモの効用を伝えよう
・メモを取る姿勢、そのビジュアルが、相手に敬意を伝え、より上質な情報交換ができる
・会議・ミーティングの際は、質を高めるためにホワイトボードは必須
・フックとなる『標語』を常に考えよう
・院長のストーリーを広く伝えよう

 

※メモの取る時の具体的ノウハウは、「メモの魔力」を購入されて、確認してみてください。アイデアが溢れるはずです。

 

追伸

本文内に、「人の関心を惹きつける標語を作ろう!」「常に言語化しよう!」
といった内容が書かれています。
その箇所を読んでいる時、以前TVでチラッと見た場面、

・笑い飯 西田氏がレトロな眼鏡をかけさせられて放った一言
「昭和昆虫博士やろ!」
・千鳥ノブ氏が家具屋で、背もたれが異常に高い椅子を見た時の一言
「敵に攻め込む時のサウザーか!」(北斗の拳)
・同じくノブ氏が、存在感のある小物を顔につけられた時の一言
「広末涼子の旦那か!」

の言葉が頭をよぎってきました(笑)

本文の『標語』とは、少々本筋がズレると思うのですが、
結果、1回何気なく見ただけのそのシーンが、私の記憶に今も残っている。

『標語』の威力ということでしょうか・・・