他の院長は、ほぼやっていないから差がつく
 
 
 
こんばんは。
クリニック専門 組織コンサル
ほうすう(鳳雛)の田原です。
 
 
順を追って説明する
 
『クリニックの組織づくり』
 
の5回目になります。
 
 
 
前回は「足らずを知る」をお伝えしました。
 
 
第5章の内容を
一言でいうなら
 
 

『スタッフとの関係性に目を背けないことが、好循環を作る』

 
ということです。
 
 
 
 

1、スキル&関係性一覧を作ろう

 
先に結論を述べます。
(理由は後半で)
 
 
マネジメントとは、
「感情ある人間に、最大限能力を発揮してもらうモノ」
です。
 
カリスマ的なリーダーシップを発揮することでなければ、
剛腕で引っ張っていくことでもありません。
 
 
人間の感情、心理を知って、
地味なことを積み重ねていくことが、
組織としての成果に繋がる近道であります。
 
 
 
 
 
 
理想の組織図を作ってみて、
そこに、今いるスタッフを当て込んでみた後は、
 
『スキル&関係性一覧』を作ってみましょう。
 
 
 
紙でもPCでも、やりやすいやり方で良いと思います。
※ただ、取り扱いは厳重に
 
 
前回までの作業は、
いわば、
スタッフ側の足りない点に目を向けたのですが、
 
今回の内容は
『内省』に近いものがあります。
 
自身にも目を向けるのです。
 
 
 
 
要は、
A、戦力分析して
B、関係性にも目を向けて
C、今後の計画を具体的に立てる
 
のです。
 
 
100名以上の組織のトップならまだしも、
30名以下なら、トップの院長であってもスタッフの特性を押さえましょう。
 
 
 
 
具体的にはこのようなことを考えるのです。
 
 
 
A、戦力分析して
 
・各スタッフ担当業務の現在の習熟度
・将来的に任せたいこと
・得意なこと・苦手なことは?
・ここまでをスタッフに任せることができたら、自分はこの業務を減らしていこう

 
 
 
 
B、関係性にも目を向けて
 
スタッフに仕事を任せていこうにも、
自分との関係性は?
そもそも、スタッフの特性は?
 
に目を向けます。
 
 
・どんな仕事をしたいと考えているのだろう?
・どんなキャリアを積みたいと考えているのか?
・具体的に何が得意で、何に苦手意識を持っているのか?
・家族関係はどのようなものだろう?
・育児や親の介護の状況は?
・何をもって、プライベートが充実していると考えるタイプか?
・実際、問題行動はあるのだろうか?

 
このようなことを考えてみると、
ほとんどの人が、顔面蒼白となります。
 
 
 
「私は何もわかっていないな・・・」
 
 
 
スタッフのことをほとんど理解していない自分に愕然とする。
 
知ろうともしなかった過去の自分の傲慢さを知る。
 
あるいは、『マネジメント』ということをほとんどやってこなかったことに我が目を疑う。
 
 
 
 
 
ひとまず一覧表を作ってみましょう。
 
※簡易的な例は下記
 
 
 
 
 
C、今後の計画を具体的に立てる
 
 
スキル&関係性一覧を作ってみたら、
おそらく空白ができるでしょう。
 
空白ができるから、
そこを時間をかけて埋めていく。
 
ちょっとしたスキマ時間に何気ない会話をしたり、
月に1人でもいいから、
一回10分だけでも1on1面談を実施したり。
 
 
 
面倒に感じるかもしれませんが、
このような作業を怠って、
 
不義理の退職 → 人員不足 → 慌てて採用活動をする

 
こちらの事態体の方がよっぽど面倒でしょう。
 
 
 
 
 
 

2、いや、必要ですよ

 
上記のような作業、
本当に院長自らすべきことなの?
 
はい。
 
 
 
クリニックという組織では、
そこまでスタッフ数が多くない特性からも
院長が
『経営者 兼 プレイヤー 兼 マネジャー』
 
というケースは少なくありません。
 
特にスタッフ数10人以下の場合であれば、
ほぼそうなるでしょう。
 
 
また、
クリニックのスタッフで、
きちんとマネジメントを学習していない管理職は、
院長が思っているようなマネジメントをしてくれる可能性も極めて低いでしょう。
 
 
そんな事情もあって、
最初のうちは、院長の『マネジメント力』が非常に重要となってきます。
 
 
 
 
 
 
 
 

3、院長が『関係性』まで考える必要ある?

 
 
マネジメントに関しては、
諸説あります。
 
・縦の組織にして、院長はスタッフと距離を取った方がいい
・「ありがとう」を言いましょう。スタッフを褒めましょう
・職場は仕事をする場所だから、褒めるとかはどうでもいい
 
 
ふむ。
 
どれも一理あると思うので、肯定も否定もしません。
 
ただ、
これまでクリニックという、女性が多い組織のコンサルティングをしてきて、
痛感しているのは、
 
✓院長とスタッフの関係性
✓院長と管理職の関係性
✓管理職とスタッフの関係性

 
すべてが大事。
ということです。
 
スタッフが自ら考えて、
自発的に動き、
組織単位で成果を上げていく。
 
そのためには、
『関係の質』は非常に大事な要素となります。
 
 
院長独りが忙しくするのではなく、
組織単位で効果的に成果をあげていくには、
関係の質を高めることが、結局は近道になります
 
 
関係の質を高めていくことが、
好循環を生むスタートとなります。
 
 
 
 
 
スキル&関係性一覧を作る
 ↓
スタッフとの関係性強化
 ↓
スタッフが働きやすい職場になる(発言しやすい)
 ↓
スタッフがアイデアを出すようになる
 ↓
全員の生産性が上がり、利益も増えていく
 
 
 
 
 
 
実際、スキル&関係性一覧のようなものを作る院長は少ないでしょう。
 
スタッフに無関心、
もしくはガサツで無神経なことばかり言う院長の方が多いでしょう。
 
 
だからこそ、
今回のような内容を本当に実行していくと、
長期的には採用面でも
アピール材料が多くなり、
採用面でも困らないクリニックへと変貌していきます。
 
 
 
 
マネジメントに関しては
それこそ多岐にわたりますが、
ひとまずはこのブログでお伝えした
 
第1章~5章の内容を
本当に実行してみてください。
 
それだけで充分、現状が変わっていくはずです。
スタッフの反応、表情が明らかに変わります。
 
 
実行してみて上手くいかなかった場合は
お気軽に下記まで
 
 
 
 
 
 

4、追伸

 
スタッフとの関係性が悪いとどうなるのか?
 
職務として当たり前の仕事をスタッフに任せても
 
「やりたくもないことを押し付けられた」
 
と曲解されがちです。
 
 
中には
 
「院長は、仕事を任せやすい人にばかり丸投げする」
 
こんな陰口もたつわけです。
 
 
今回の
スキル&関係性一覧を作る作業を経ていないと、
早晩、上記のような陰口だらけの医院へとなってしまいます。
 
 
これはもう、人の性でしょうか。
 
 
 
 
 

5、追伸の追伸

 
 
 
関係性が悪いと、
思わぬ伏兵から手痛い攻撃を受けることになりがちです。
 
それは何か?
 
たとえば…
 
 
退職したスタッフが、
後から内部告発するのです・・・

 
 
法律の遵守を100%できているクリニックは多くないでしょう。
忙しい時は特に、
なにかしら、法令遵守に関して大らかになりがちです。
 
スタッフ数が少ないクリニックは特に・・・
 
 
院長と関係性が悪かった、
正義感の強いスタッフ、
もしくは怨みが強いスタッフは、
 
退職した後に、反撃に出るんですよね・・・
 
 
 
 
 

6、まとめ

 
a、ウダウダ言い訳せず、正当化せず、スタッフとの関係性に目を向ける
b、スキル&関係性一覧
c、空欄を埋めていく計画を具体的に立てる