新人教育は、かなり大事な業務なのですが、
日々の診療や、忙しさからか
軽視するクリニックもゼロではないと思います。
その新人教育に関して
気をつけるべきことは多岐に渡るのですが、
その一部を紹介いたします。
目次
1、一つ目「どんなに患者様が多くても、新人さんを即戦力にしようとしないこと」
これは新人さんだけに言えず、中途採用の人でさえそうなのですが、
まずは、自医院の方針や心構え・決まり事を
きちんと教育してから、診療に参加してもらうこと。
患者様が多いのなら、
グッと堪えて、
予約数を抑えてでも、
きちんと教育の時間を作っていくことが大事です。
それを終えてから、現場に入ってもらうのが良いでしょう。
なぜなら、
患者様に迷惑がかかるからです。
…というのは当たり前として、
それ以外に、
新人さん本人が、ミスの経験や、場合によっては叱られる経験を
入職間もない頃にすると、
マイナスに捉えて、自分を責めて、潰れて
退職してしまうからです。
なんでもかんでも一括りに言うのは、好きではないのですが、
昭和生まれの人より、
平成生まれの人は、
「なにクソ」根性が、そこまで備わっていないというのが、私の印象です。
2、二つ目「教えることは、順番が大事」
よくあるのが、
新人さんに、技術のことや器具の名称等をまず教えていく
というものですが、
それよりも、
教える順番は
人間性→技術
です。
人間性とは、社会人・医療人・クリニックの一員としての
考え方・気構え
です。
あなたもも、一人くらいは心当たりはありませんか?
キャリアは長くて、診療技術だけは、上達しているのだが、
人間性が低い人。
30代になっても、
自分の利益しか考えてなく、
周りを助ける意識もない、
言われた最低限の仕事しかしない、
話は芸能ネタ・アイドル話・他人の不必要な詮索・噂話、
医院の他の誰かの陰口も言う…
診療技術だけは高いから、
下手に辞めさせることもできない、
でも、他のスタッフさんにはマイナスの影響しか与えない…
そうなってから、人間性の教育なんてしても
聞きませんし、無駄です。
順番が大事なのです。
順番として、もう一つ大事なのは、
厳しさ→優しさ
です。
キツさ→ユルさ
といった方がいいかもしれません。
最初ユルくて、後からキツくすると、反発が生まれますが、
最初キツければ、ユルくするのはいつでもできるのです。
3、三つ目「院長でもなく、主任でもなく、先輩スタッフが教育係をする」
多いのが、主任やチーフの人が、
新人教育係になることですが、
院長先生や主任の方は、
二つ目で言いました、
「人間性」
の部分だけ教えて、
実務的なことは、
先輩スタッフに任せるのがいいでしょう。
先輩スタッフに任せると簡単に言っても、
現実は、
まだまだ、誰かに教えられるレベルでない、
というケースもあるかと思います。
場合によっては、
まず主任が先輩スタッフに教え方を教えて、
その後、先輩スタッフが新人さんに教える
という二度手間のような事態もあるかもしれません。
実はこれでもOKなのです。
現場として、
「診療もある中、そこまでムダに思えることに時間を使えない」
それはよくわかりますが、
これのそもそもの目的は、
「新人教育だけでなく、既存スタッフに本気になってもらう」
という狙いがあります。
今までの既存スタッフは、自分が教えられるばかりの存在だと
どこか甘えがあるのですが、
今後は、自分が教えていく立場、
教えるには、自分がきちんと理解しておかないと教えられない、
そのような事態が、急成長を起こします。
また、
新人さんが優秀で、のみこみの速い人なら、
「このままの私では、新人に抜かれてしまう!ヤバイ!」
そのような気持ちが芽生え、
やっとこさ本気になります。
人間、迫らられないと、なかなか本気になりません。
それには、比較対象、
特に下から迫ってくる比較対象が必要なのです。
もちろん先輩スタッフは、
100%の教え方をしないでしょうから、
ある程度の方向性や、
「絶対に間違ってはいけないこと」
を最初のうちに叩き込んでおくことは必要です。
院長・主任スタッフの方が、
新人教育を丸投げにせず、
きちんと進捗状況を確認したり、
先輩スタッフのフォローをしたり、
自ら新人さんに、
コマメに声掛けすることが大事なのは
言うまでもありません。
まとめ
1、どんなに患者様が多くても、新人さんを即戦力にしようとしないこと
2、教えることは、順番が大事
3、院長でもなく、主任でもなく、先輩スタッフが教育係をする