以前、普通の患者として、
ある歯科医院に初診で行った時の話。

歯石取りのため、初めて行く歯科医院で受診しました。

 

 

1、悪くはなかったのだけど「また行きたい」とは思わない

普通の患者として、なんの利害関係もない医院に行ったのですが、
結論から言うと、

「ちゃんと接客してるけど、また行きたいとは思わなかった」

です。

その医院に行って、初診で

1、レントゲン撮影をして、
2、院長による多少の歯の説明があって、
3、歯石取りをDHがしてくれた

のですが、

・接客はちゃんとしている
・言葉遣いも良い
・担当DHに清潔感もあった
・帰りの際も、ドアを出ても頭下げてくれていた

なのですが、
どうも、また行きたいとは思わないのです。
本能的に、あの医院に足が向かないのです。

なぜか?

 

 

2、リピーターにならない理由

なぜ、そこまで悪くない医院なのに、
また行きたいとは思わなかったのか?

それは・・・

・なんとなく流れ作業のひとつとして、こなされてる感があったから
・患者のためというより、医院の回転率のために業務をしている感じ
・医師の説明も一方的。こちらの考えは訊かない
 (私の歯に緊急の問題はないけど、ここの詰め物をやり直して、ここも治療した方がいいと)
・DHの歯石取りも、速いのか知らんが、多少痛いし、雑で丁寧さがない
・DHから、今痛くないか? といった問いや、相手への思い遣りがほとんど感じなかった
・プロービングに関しての、丁寧なフィードバックが一切なし

私が、保険診療で求めすぎなのかもしれませんが、
お金払って受けているサービスとしては、心地良いものではありませんでした。

歯科医院は供給過多です。
患者様が求めていることは、どんどん高レベルなものになっています。

しかし、そんなすごいサービスでなくても良いのです。
ちょっとした、小さいこと。
相手のことを少しでも考えての思い遣りです。

 

 

3、歯科医院がリピーターを生むためには?

では、初診患者に具体的にどうしたらいいか?

少なくとも下記ができている歯科医院はあります。

・最初に院長が、ちゃんとフルネームを名乗り自己紹介する
・担当DHもちゃんと挨拶する
・別室(カウンセリングルーム等)できちんと患者様の要望や、今までの診療経験を伺う
 ※患者様はちゃんと聴いてほしい
・その他大勢と同じ扱いでないような対応をする
 (それが無理でも、そう感じていただけるような小さなことをする)
・プロービングの前等には「チクッと痛みがあるかもしれませんよ」といった一言を言う
・プロービングの結果は、ちゃんと患者様に伝えて、良いところは褒める
 (治すべきところの指摘ばかりだと否定された気分になる。褒めることも忘れずに)
・歯石取りは、常に「患者様は今不快でないだろうか?」を考えて、問いも入れる
・歯の話ばかりでなく、1分だけでもパーソナルな話も入れる

 

4、診療の腕以外で大事なこと

初診は大事です。
それにより、継続・リピーター・紹介
が決まります。

多少、「時間かけすぎかな?」
と思うようなことも、
「初診は特別大事なもの」
と割り切って、時間をかける方がいいでしょう。

そして、患者様は、
不快に思ったことを言ってくれません。

特に医師に直接言う人なんて、100人に一人もいるかどうか というところです。
不快に感じた患者様は、

「もう行かない」

という態度で返事を出すのです。

ごく稀に、受付に改善点を指摘してくれる患者様もいますが、それでも稀です。

「なんか急に、連絡もなしに来なくなった患者様がいるな?」

と思ったことはありませんか?

そんな人の対応を振り返ると、
忙しい時に、少し適当な対応をしていませんでしたか?

めんどくさいかもしれませんが、
めんどくさいことほど、
他の医院がやってなくて、差別化できることです。

ぜひ、業務全体の見直しも、定期的にしてみてください

 

5、まとめ

・回転率や時間ばかりを気にした、流れ作業は患者様にバレる
・相手を気遣った、「一言」があるだけで印象がだいぶ変わる
・初診の時こそ、時間の投資は大事