クリニック専門 組織コンサル
鳳雛(ほうすう)の田原です。

 

『ビジネス書の学びを、実務に活かす』

さて今回は、
現在ベストセラーの著書
安達裕哉 氏「頭がいい人が話す前に考えていること」
(ダイヤモンド社)から。

 

頭が悪い人の特徴は『事実と意見をごっちゃにする』

 

 

”タイパ” という言葉が広まっているように、
人は、ムダなことに時間を奪われるのを、心底、毛嫌いします。

そんな現代で、

a、相手の時間を奪わず
b、相手に好かれて
c、そして周囲を動かす

そんなノウハウが満載です。

 

・「私は良かれと思って、言ったのに…」
・「あなたを思って、やってあげたのに…」

このような心境になったことがある人も少なくないはず。

こちらが思っていたような反応を相手がしてくれない…
これまでにそのような経験が多い人には
必読の一冊です。

スピーチをするための「話し方」の本は、
巷に溢れていますが、
相手と「対話」をする際に、
賢い対応をして、味方が増え、仕事にもプライベートにも
好循環をもたらしたい。

そんな人には最適の本です。

 

 

1、本質的なペインを探れ

 
P92
頭のいい人は、議論の勝ち負けではなく、議論の奥にある、本質的な課題を見極めようとします。
議論になるのは、その人の根底に何か思いがあるからです。

相手の怒りの理由を「一般的に考え得る理由」に、はめ込まない。
 
相手が怒っている時こそ、
こちらは冷静に、
頭のいい質問をすることによって、本質的な理由を見つけたいもの。
 
本質的な理由が見えてきたら、

 
・相手のペインに対して、でき得る対応
  +
・相手の立場を鑑みた、気の利いたサービス
 
を付加すれば、
相手の怒りは収まるし、
「できたビジネスマン」(頭のいい人)の印象になる。
 
間違っても、
こちら側の『できない理由』を論理的に説明しないこと。
 
 
 
『議論になった時は、論破するのではなく、相手の“本質的なペイン”を探る』
 
 
 
 
 
 

2、表層的な発言は金輪際やめる

 
P103
しかしある時、クライアントからこう言われたのです。
「安達さん、そういうのはいいからさ、ごまかさないではっきり言ってよ」と。
賢いフリをすればするほど、残念ながら、バカに見えてしまいます。

確かに…
 
発言内容が、
・表面的にイイ人のフリをしているだけ
・まだまだカッコつけている
・保身で喋っているな
・忖度して、言葉濁しているな
・結局は面倒だから、それっぽく正当な理由をつけてるだけだろ
 
こういうのって、
見抜く人は見抜きますね。
 
特に、
多くの人と対話することが仕事である人は、
その経験値から、
 
✓嘘をついている人
✓知ったかぶりをしている人
✓本音を隠している人
 
そういうのを見破ります。
 
 
『誠実』が大事。
とは耳タコの言葉ですが、
カッコをつけた、賢いフリは、
相手からの信頼を失いますね。
 
人は、
無知な人のことを軽蔑するのではありません。
 
・ウソをつく
・見栄を張る
・誰かに聞いたような言葉を自分の言葉のように言う
 
 
こういうことをされた時に、ガッカリしますね。
不誠実さを感じます。
 
 
『信頼を得たければ、カッコつけない。表層的な発言をしない』
 
 
 
 

3、報告はまず、10秒以内で

 
P197
「結論から言え」というのは、
本質的には、自分がしたい話ではなく、相手が聞きたい話を最初にしろということなのです。

ビジネス上の会話は、
ほとんどの場合で、「結論」から言うのが正解だと思います。
 
なぜならば、
ビジネスは、限られた時間の中で成果を出さないといけないから。
 
もちろん、結論から言うと、
マイナスに働くようなケース、
例外はありますが、
だいたいの場合、自分が口を開く時は、
『まず、結論を一言で言う』
ことを心がけたいものです。
 
 
で、
その『結論』ですが、
2秒でいいので、口を開く前に考えたいですね。
 
「相手は、何を聞きたいのか?」と。
 
 
・YES・NOの回答なのか?
・「誰?」に関して訊いているのか?
・ひとまず、時間の目安を知りたいのか?
 
 
こういうことを考えず、
プロセスの話
枝葉末節の話
を延々とされると、
 
「いつ聞きたいことを言ってくれるの?」
「いつまでこの話は続くの?」
 
と聞き手にストレスを与えます。
 
 
 
『仕事の報告はまず、相手が聞きたいことを一言、5秒以内で言おう』
 
 
 
 
 
 

4、相手の ❝心の準備❞ に配慮しよう 

 
 
P199
つまり、結論から話す、というのは相手に “聞くスイッチ” を入れる行為なのです。
話す前に、どんな気持ちで聞いてほしいか、どんなスイッチを入れようか、を考えてから話してみてください。

仕事での報告、
特に、先輩や上司に対して話しかける場合は、
最初に『話の種類』を言うのが良いと思います。
 
 
・「20秒ほどの報告です」
・「質問です」
・「指示を仰ぎたいです」
・「提案があります」
・「クレームに関する相談です」
 
 
これは、
何も仕事の報告に限らず、
ブログやメルマガ等の
記事のライティングでも大事ですね。
 
冒頭で
「〇〇のコツをお伝えします」
「△△が実現できるノウハウです」

 
読み手が、
続きを読もうか、判断できる言葉を冒頭に入れるのが親切ですね。
 
 
 
『報告する時は、相手の “心の準備” を配慮して、話の種類から言おう』
 
 
 

5、あなたがすべてをやることが、最適ではない

 
 
P239
それはまさに「何を言うか」より「誰が言うか」が重要であり、
アドバイスを受けて納得し、行動を移すのは、
その相手をよほど尊敬し、慕っている場合だけなのです。

経営者や役員の言うことだから、
部下は100%動く。
とは限りません。
 
むしろ、
相手にとって、3年先輩のスタッフに言われた方が
結果的に動くケースもあります。
 
上司よりも、
先輩の方が尊敬されているケースもあるのです。
 
 
 
立場がある人ほど、
自分のことを過信せず、
 
「Aさんにこの行動を起こしてもらうには、誰から伝えてもらうのが一番効果的か?」
 
を考えて、指示・命令する方が賢明ですね。
 
 
経営者や管理職は、
何もかも、自分が伝えて、動かそうとするのではなく、
役割分担を考える方が良さそうです。
 
 
「君に伝えてもらった方が、僕なんかよりも説得力がある」
 
 
と、伝達者を肯定して、その役目を任す方が良いでしょう。
 
 
これは、結果として
 
・Aさんが動く
・伝達者の自己重要感も満たす
 
と良いこと尽くしです。
 
 
 
『管理職は、“すべて、自分が動かさないといけない”と思い込まず、適材を考える』

 

 

 

6、まとめ

特に仕事上のコミュニケーションでは・・・

A、一般論で相手を決めつけず、相手の本質的ペインを探ろう
B、細かいプロセスをダラダラ話すな。まずは相手の聞きたい結論を5秒以内で
C、賢いフリや、表層的な発言は信頼を失う

 

 

他にも、

・とりあえず電話する人は、相手に言語化のコストを負担させる
・相手にインパクトを与える『型』
・言語化を習慣にする3つの方法

等、他者に「頭のいい人」という印象を与えるコツを教えてくれます。

 

安達裕哉著 「頭がいい人が話す前に考えていること」
https://amzn.asia/d/9ied8TH